浮腫(むく)みのお話

はや開業して2か月経過いたしました。お陰様で多くの患者さんにご来院頂いております。当院の特色といえば、リハビリに尽きると思います。

とある患者さんから、こんな言葉をいただきました。

「リハビリっていえば大怪我や重病の人がするものだと思っていましたが、こんなに身近なものなのですね」(一部改変)

運動器疾患は、どんなものでもですが、該当の部分が弱ります。腰痛しかり肩の痛みしかりです。弱ったにもかかわらず、放置して問題なければよいのですが、高齢者はもともと余力が少ないため更なる疼痛の原因となったりしますね。

リハビリテーション(リ・ハビリテーション:再び人間らしい生活)は気軽ではないかもしれませんが、身近ですよ。

さておき、表題のお話。リハビリに深く関係があります。

浮腫(ふしゅ)とは、

浮腫ふしゅ)とは、顔や手足などの末端が体内の水分により痛みを伴わない形で腫れる症候。浮腫み(むくみ)ともいう。(Wikipediaより引用)

大まかに原因を分類しますと、心疾患、腎疾患、肝疾患、血管のつまり、そして、末梢循環不全でしょうか。心疾患から血管のつまりまでは整形外科とはあまり関係ありませんので他に譲ります。末梢循環不全による浮腫みのうち、不動によるものが整形外科と関連が深いですから、そこを少し解説します。

心臓→大動脈→足と血液が流れます。これが心臓に戻るには、足から重力に逆らって血液を戻す必要があります。どこぞの版権フリーの画像を借用してきました。

上図が静脈です。弁がついているため心臓側にしか流れない仕組みになっています。

そうすると、動脈と違って波打たない静脈を通って心臓へ血液が戻る仕組みが多少理解できますね。血管そのものをつぶすと、心臓方向へ血液が押しやられます。戻ってきても弁までです。もちろん、弁が正常なことが前提ですけど。

具体的には、歩くこと、もっと具体的に言えば、足の筋肉に力を入れることで、血管をつぶすことができます。

ここまで読んだ奇特なお方、今どちらかの手背にある血管を眺めて、思いっきりぐーを作ってみたら、つぶれるのがわかると思います。

従いまして、しっかり歩ける状態で浮腫むことはほかの病気でもない限り可能性は低いのですよ。飛行機で、足がむくんできてひいてはエコノミークラス症候群とかいう厄介な病気を起こすことがありますよね?

しっかり足の筋肉に力を入れることで、かなりの確率で予防ができます。

これは、足のけが等で足がむくむのもある程度は同じ理由になりますので、痛くないところはしっかり動かしていただき、浮腫を予防していただければ幸いです。

おまけの体操です。参考までに。